羅針盤

地域プロデュース事業部 COLUMN

2024年8月23日
プロモーション・販促支援・OTA活用

地方の観光資源を海外OTAで最大限に活用する方法

 株式会社羅針盤の三ツ瀬(@Mitsuse_JP)です。海外OTAへの掲載支援、GBPを活用したインバウンド集客、コンテンツ造成、クラウドファンディングのエキスパートとして、地域の魅力を世界に発信するお手伝いをしています。

 訪日外国人旅行者の数は年々増加しており、その数は日本の観光業界にとって重要な収入源となっています。2023年には約2507万人の外国人が日本を訪れ、その消費額は5兆円を超えました​ (日本の観光統計データ | Japan Tourism Statistics)​​ (Japan Tourism)​。2024年の訪日外客数は過去最大だった2019年を超え、訪日外客数は3,450万人を超える水準となっております。

 初めて日本を訪れる外国人観光客は東京、大阪、京都などの主要都市を訪れる傾向が強いものの、観光庁経済白書によると訪日外国人のリピーター率は約68%と高く、より深く日本の文化や自然を体験したいと考え、地方を訪れる外国人も増えています。

 訪日外国人旅行者に向けた情報発信としてはOTAが有効な中で、リピーターが増え地方にも旅行者が増えているため、今OTAを利用し始めると成果にも繋がりやすいです。海外OTAに掲載することで、観光資源をアピールし、訪日外国人旅行者の選択肢の1つとして加えることができます。しかしながら、主要都市以外では海外OTAに掲載している事業者はまだ少ない状態です。逆に言えば、掲載数が少ない今だからこそ、積極的に活用することが重要です。

出所:国土交通省 令和6年版 観光白書
https://www.mlit.go.jp/statistics/content/001748858.pdf

 

商品を造成しても、見てもらえなきゃ売れるわけがない

 訪日外国人向けに向けた魅力ある体験コンテンツやツアーなどの商品を作成したとしても、その方々に目に触れることができなければ購入されません。例えるならば、商品棚に商品が並んでいなければ、商品の善し悪しに関わらず商品が購入されることはありません。せっかく訪日外国人向けの商品を造成したとしても、彼らの選択肢に入らない可能性があるということです。そのため、最初の第一歩として、海外OTAに掲載することが重要なのです。

 造成した商品を自社のサイトに予約の仕組みを新たに構築して販売しようとしても、自社サイトへの集客にはSEO対策や広告などに大きなコストと時間がかかり、なかなか販売の機会を創出していくのは難しいでしょう。なによりもまず重要なのは、訪日外国人の目に触れる機会を創出することです。商品の磨き上げはその次です。


 実店舗の売り上げは「売上=来店客数×購買率×平均客単価」の計算式で求められます。オンラインで商品を販売する際も基本的には同じ計算式の考え方で求めることができます。オンラインで販売する場合は「来店客数」を「PV(ページを閲覧した数)」に置き換えて考えることが出来ます。当然のことながら、来店客数・PVどちらもが「0(ゼロ)」であれば、商品の質を上げても売り上げは上がりません。OTAに掲載することは来店客数を増やすことにも繋がります。

 

海外OTAに掲載することで、コスパよく訪日外国人旅行者に認知してもらうことが出来る

 訪日外国人旅行者が旅行を計画する際、OTAは非常に重要な役割を果たしています。民間の調査ですが、株式会社電通が世界15の国・地域を対象に実施した調査では、訪日したきっかけとして「OTAの訪日観光の商品紹介を見たから」と回答されている方が多く、欧米豪などの英語圏だけで見ると上から2番目の訪日したきっかけになります。そのため、もしOTAに掲載されていなければ、訪日外国人旅行者の選択肢に入ることすら入らないかもしれません。

 逆に言えば、海外OTAに掲載することで訪日外国人旅行者にアピールできる機会が増えます。例えば、Viatorにツアーやアクティビティを掲載することで関連会社のTripAdvisorにも掲載されるため、世界中の旅行者に対してその存在を知ってもらえる機会を創出することができます。これにより、地方を訪れる訪日外国人旅行者に選択肢として検討されるようになります。

 その上、グローバルプラットフォームは多額のコストをかけて検索サイトでの上位表示を目指し広告を出したり、サイトの利用者の利便性向上を目指して日々改善を行っております。そのため、SEO対策を頑張り自社サイトへの集客をあげることに注力するだけでなく、大手のプラットフォームを併用して活用していくことで大きなコストをかけなくても訪日外国人旅行者に認知してもらえる可能性が高くなります。

出所:電通「ジャパンブランド調査2024」
https://www.dentsu.co.jp/news/item-cms/2024016-0703_3.pdf

 

地方での掲載数はまだまだ少なく、いまなら先行者利益を得る可能性がある

 訪日外国人旅行者が多く訪れる東京、大阪、京都などの主要都市ではOTAの掲載数は多いですが、地方でのツアーやアクティビティの掲載数はまだまだ少ないのが現状です。これは、地方の観光業者にとって大きなチャンスです。訪日外国人のリピーターは地方を訪れる割合が高くなり、日本の各地にある伝統文化や風景、地元の料理など、地方ならではの魅力を求めて訪れます。早期に海外OTAに掲載し積極的に発信することで、競争優位性を確保し、先行者利益を得ることができます。

例えば、掲載数がまだ少ない地域の事業者が早期にViatorに掲載することで、OTAサイトでその地域を検索をされた時に上位に表示されます。上位に表示されることで予約が入る確率が高まり、また口コミなどを積極的に溜めていくことで他の競合がまだ少ないうちに上位に表示されやすい状況を作りだすことが出来ます。

 

認知拡大によって、結果的に、自社サイトへの流入の増加にもつながる

海外OTAに掲載することで、露出が増加し、結果として自社サイトへのアクセス増加や、直接予約の増加も期待できます。
例えば、Viatorにツアーやアクティビティを掲載することで、多くの旅行者の目に触れる機会が増えます。OTAサイトを通じて商品を販売することで認知を獲得することに繋がり、ViatorなどのOTAサイト経由での予約が増えるだけでなく、自社サイトを訪問して直接予約をするケースもあります。

その他、私がサポートさせていただいた事業者様の中には、OTAに掲載する前は外国人のお客様が来店されることがなかったものの、掲載後に外国人のお客様が来店される機会が増えた、という声をお聞きすることもございます。

また、海外OTAに掲載することで海外の旅行会社やトラベルデザイナーなどの目に留まる機会も増え認知獲得にも有効な打ち手の一つです。OTA経由での流入以外の集客効果にも期待することができます。

 

まとめ

主要都市での海外OTAを活用して商品を販売している事業者は増えてきていますが、地方での利用はまだまだ限定的です。地方の事業者が海外OTAを積極的に活用することは、訪日外国人旅行者に対する認知度を高め、集客力を強化するために非常に重要です。

各事業者が海外OTAに掲載することも重要ですが、地域として魅力的な体験コンテンツなどを複数掲載することも重要です。訪問地を検討している訪日外国人がOTAサイトで検索する際、魅力的なコンテンツが多い地域であれば、「面白そうな体験ができる地域があるから行ってみよう」と思い、その地域を訪れるきっかけになります。地域の各事業者がOTAに掲載すると同時に、地域としてOTA掲載件数を増やしていく取り組みを進めていくことが大切です。

私たちは自社で商品を造成・販売してきた実績を元に、全国各地で事業者様の支援を行っております。
是非お気軽にこちらよりお問い合わせください。

 

Pagetop